収益改善に役立つ統制指標の切り口

 

収益改善に役立つ統制指標の切り口
【現役 経営コンサルタントの裏情報!】
 発行 2011/11/14 No.125

【目次】

1.サービスの儲かる基準

まえがき

こんにちは 前田です!

 

以前、No.114でインターネットの接続をひかりに変えたことを述べました。8月8日に開通しています。種類は、auひかりホームですが、下り受信で123Mbps、上り送信で12Mbpsの速度です。この辺の数値は、測定のタイミングで若干変動します。従来は、メルマガアップのデータ量は75Mbくらいですが、ADSLで約16分かかっていました。現在、終了まで約1分45秒です (^o^)//""パチパチ

 

auひかりホームでは、メールアドレスを無料で5つまで使うことができます。それにともない、従来からスパムメールに悩まされていた問題解決を図りました。従来のメアドを変更したこと、メアドを増やし用途別メアドにしたことです

 

結果は、劇的とも言えるほどスパムメールが減りました。ただし、従来からいろいろなサイトの会員などに登録していたことから、慎重な変更作業とならざるを得ず、完全移行まで約2カ月強かかってしまいました (^0^)

 

ひかりに変えてから、メールの扱いも変えました。ここ3カ月間弱はテスト的に使っていましたが、最近切り換えています。従来は、パソコンにインストールしたメールソフトを使って、メール送受信をしていました。これを、au one メールに変えたわけです。auの携帯を使っている人は誰でも使えます。googleのGメール機能を使ったサービスです。パソコン上にメールデータを持つ必要がなく、不要メールの削除などのメンテナンスが簡単、スパムメールの検知機能が優れている、外出時に自前パソコンを持っていなくとも使えるなど優れものと思います

 

あえて難点を挙げるなら、メール発信元によっては、到着まで時間がかかることです。たとえば、小生が購読しているメルマガがあります。毎日6時に配送されるのですが、auメールで受信されるのは6時半前後です。もう一つあります。180日間auメールを使わないと、自動的に登録抹消されることです。いつも使っているかたは、関係ない話ですが… (^0^;)

1.サービスの儲かる基準

メーカーにおける製品の儲かる基準については、これまでも何度か紹介してきました。中でも、No.54「営業から見る収益管理」では計算例も紹介しています。それでは、サービス業についてはどうなるのでしょうか。小生の仕事も、大きな業種区分ではサービス業になるのですが、これまで関心の対象外でした (^∧^)

 

サービス業にも、いろいろあります。その中の一つ、比較的分かりやすい対象を選んで考察してみましょう。以前、小生はマンション住まいでした。その間、管理組合の理事長も2期やっており、大規模修繕計画の立案や実施もしています。そこで、今回サービス業として採りあげるのは、エレベータ保守が対象です (=^^=)

 

最近のエレベータは、通信回線を経由した24時間監視が当たり前になっています。故障した場合は、自動的に保守センターに連絡され、保守員が駆けつけるしくみです。今回対象とするのは、これ以前の保守のしかたを対象としています。定期的に保守担当者が点検し、部品交換などおこなう従来型の保守形態です。ちなみに、小生が住んでいたマンションでは、毎月2人の保守作業員が数時間掛けてエレベータ1機の点検修理をしていました。したがって、1日2〜3機の保守が限界のようです

 

さて、ここで問題です。保守契約は1年単位で、一定範囲内の故障や部品交換は年間保守料に含まれています。この例におけるエレベータ保守という商品サービスの儲かる判断基準は、次のどれが該当するでしょうか (^−^)

 

 

◆商品サービスの儲かる判断基準は?

 

以下は、すべて商品サービス別です

 

・売上高の大きさ

・営業利益額の大きさ

・限界利益額の大きさ
・投資回収率の高さ、あるいは投資回収期間の短さ

・1日当たりの営業利益額
・1日当たりの限界利益額

・直接作業者・1人当たりの営業利益額
・直接作業者・1人当たりの限界利益額

・直接作業者・1人・1日当たりの営業利益額
・直接作業者・1人・1日当たりの限界利益額

 

正解は、以下の試算例のあとの結論で述べます (^^)

 

 

◆商品サービスの種類

 

ここでは比較のため、エレベータ保守のしかたを大きな差異がある2とおりとしました。対象の機種は異なりますが、次のとおりです。部品交換等の範囲が異なります。定期的な保守の頻度は双方とも同じです

 

・保守サービスA(商品A)の作業は2人で3時間、6工数
・保守サービスB(商品B)の作業は1人で3時間、3工数

 

商品A・Bのどちらが、より儲かるのか考察します。さらに、商品サービスの儲かる基準が何なのか見ることにしましょう

 

 

◆商品サービス別の試算(件数2件のとき)

 

保守サービスA(商品A)と保守サービスB(商品B)の、数値を単純化して営業利益を試算しています。売上件数は、双方とも2件のケースです。営業利益は、商品A・商品Bとも30で変わりません。当然ですが、営業利益率は双方同じで15%となっています

 

       商品A      商品B
区分   金額 単価  % 金額 単価 %

売上件数   2        2
売上高   200  100 100  200 100 100

変動費   20  10  10  40  20  20
限界利益  180  90  90  160  80  80

固定費   150     75  130    65
営業利益  30     15  30    15

 

この試算における利用資源は、次のとおりです。商品Bの投入工数は、商品Aの半分となっています

 

・商品A 保守作業者 2人、作業時間計 6時間、工数計 12工数、
・商品B 保守作業者 1人、作業時間計 6時間、工数計 6工数

 

 

◆商品サービス別の試算(件数倍増時)

 

売上件数が、それぞれ倍の4件となったときの試算です。商品Aの営業利益は210、商品Bは190となりました。商品Aが営業利益30だけ、商品Bを上回っています

 

       商品A      商品B
区分   金額 単価  % 金額 単価 %

売上件数   4        4
売上高   400  100 100  400 100 100

変動費   40  10  10  80  20  20
限界利益  360  90  90  320  80  80

固定費   150    37.5  130   32.5
営業利益  210    52.5  190   47.5

 

この試算における利用資源は、次のとおりです。商品Bの投入工数が、商品Aの半分となっていることは前項と変わりありません

 

・商品A 保守作業者 2人、作業時間計 12時間、工数計 24工数
・商品B 保守作業者 1人、作業時間計 12時間、工数計 12工数

 

 

◆商品サービス別の試算(投入資源が同じ1日当たり)

 

今度は、1日当たりの売上可能件数を対象に試算します。商品Aの保守作業は2人で3時間かかりますので、1日保守可能な件数は2件です。1日の作業時間は8時間以内とします。商品Bの保守作業は1人で3時間かかりますので、1日の保守可能な件数が商品Aと同様に1人で2件です。ただし、商品Aは2人でおこなうことから、条件を同じにするため2人活用を是認します。そのため、商品Bの1日保守可能件数は4件となります。この条件で、次の試算をおこないました

 

商品Aの営業利益は30、商品Bは190です。1日当たりの営業利益では、190-30=160となり、商品Bが上回りました  (^^)♂♂

 

       商品A      商品B
区分   金額 単価  % 金額 単価 %

売上件数   2        4
売上高   200  100 100  400 100 100

変動費   20  10  10  80  20  20
限界利益  180  90  90  320  80  80

固定費   150     75  130   32.5
営業利益  30     15  190   47.5

 

この試算における、利用資源は次のとおりです。商品A・Bの投入工数が同じになっています

 

・商品A 保守作業者 2人、作業時間計 12時間、工数計 24工数
・商品B 保守作業者 2人、作業時間計 12時間、工数計 24工数

 

 

◆結論

 

固定費総額は売上件数によって変わりませんので、限界利益のより大きい商品が営業利益増にもっとも貢献します。そこで、同一期間の投入工数を同じにしたとき、限界利益の大きい商品がより儲かるということです。今回事例に当てはめるなら、1日当たりの限界利益額が大きい商品サービスが、儲かる基準となります。事例では、商品Bのほうが儲かるわけです。もちろん、すべて販売可能という条件が付きます (●^o^●)

 

試算例では、多少分かりにくいかもしれませんので、固定費の扱いについて若干コメントします。注意深く試算例を見ていただけば分かるのですが、売上高が変わっても商品別の固定費は変えていません。多くの企業では、固定費の配賦を売上高に比例させるのが通例です。固定費が変わると、当然ですが営業利益も変化します。そこで、実際の例を用いて算出する場合は、固定費の配賦基準を事前に設定することが必要です

 

次に、試算では保守作業者を固定費扱いにしています。国内メーカーでは、労務費を固定費とするのが一般的です。しかし、保守作業を外注化しているケースを考えてください。当該ケースでは、保守作業者の労務費が変動費化します。いわゆる、変動費型経営の導入です

 

この辺の条件によって、試算のしかたは変化します。しかし、固定費が固定費であるうちは、儲かる基準が同一事業資源活用を前提とした単位期間当たりの限界利益であることに変わりはありません。今回は単位期間を1日としました (^0_0^)ナルホド

編集後記

今日11月12日(土)は、昨日と打って変わっていい天気です。昨日は1日中雨でした。気温も11〜12℃と寒かったのですが、今(11:20)、外は18度くらいまで上がっています。メルマガアップ後、今日は久しぶりに焼魚定食を食べに、イトーヨーカ堂・錦町店まで行こうと思っています (∩_∩)

 

今回のメルマガは短めです。実は、分量をいつも抑えめにしようとは思っているのですが、なかなかそうなっていません。今後も精進します (^o^)

 

 今回頁数は次のとおりです


  224行/校了時点の合計÷53行/頁≒4.2頁 

最後までお読みいただきありがとうございます m(_ _)m
それでは、次回またお会いしましょう (^.^/)))~~~bye!!