収益改善に役立つ統制指標の切り口

収益改善に役立つ統制指標の切り口
【現役 経営コンサルタントの裏情報!】
 発行 2011/11/21 No.126(最終号)

【目次】

1.事業資源の活用

まえがき

こんにちは 前田です!

 

随分寒くなってきました。風邪にとりつかれることもなく過ごす日々です。このところメルマガにあまり紹介しないので、読者のかたから「最近、泳いでいますか」と聞かれることがあります。そこで、今年の実績を紹介することにしました

 

◆スイミング実績

 

2011年1年間の目標は、100kmに設定しています。10月末現在、累計86.4km、回数合計39回、1回平均2215mの実績です。10月末時点における年間ペースは、103kmでかろうじて目標ラインに乗っています。今月11月は、2回合計で4700m泳ぎました。明日11月20日の日曜日も泳ぐ予定です (^v^)

 

◆メルマガの執筆分量

 

以前紹介しましたが、今までのメルマガが、かなりの分量になっています。今日数えたところ合計で約800頁でした。これは、テキスト形式で1頁53行出力したとしての頁数です。もちろん、写真や図は含んでいません。通常、MS Wordで出力するときはA4サイズ1頁が36行出力となっています。小生の書いた在庫圧縮の進め方(書籍)では、A4サイズ1頁32行程度です。この分量で約200頁あると、本1冊に相当します。実際は、再録、用語解説などでもっと少なくなるはずですが…

 

今まで、メルマガは土曜日に書くことが大半でした。土曜日に予定があるときは、平日の合間を利用して書いています。いずれ、エキス部分のみ抽出・修正・加筆し、本にまとめる予定です (●^o^●)

 

今まで、メルマガは「収益改善に役立つ統制指標の切り口」として、次のような狙いで紹介してきました

 

◆メルマガの狙いと概要(メルマガの紹介文です)

 

経営は、部分最適でなく全体最適が重要です。反面、どんな切り口からおこなうのか、必ずしも明確になっていません。全体最適判断の統制指標の切り口を中心に、経営者・キャリア形成めざすかた向けに紹介します。収益改善への貢献を期待しています

 

◆メルマガ休刊のお知らせ

 

今回メルマガの内容は、上記の趣旨に沿った総仕上げ版に当たります。そのため、今回メルマガをもって休刊することにしました。創刊号は2009年3月7日です。今回2011年11月21日号で、2年8カ月強になります。これまでのご愛読に心から感謝申し上げます。関連事項は編集後記で付記しました (^^)

1.事業資源の活用

メーカーを対象に、全体最適から見た事業資源の活用度を測る方策を紹介します。この見方は、管理会計も活用した総仕上げ版とも言えるものです。事業資源活用の視点は、あくまでも収益改善の切り口を重視しています。個々の項目としては、大半がすでに紹介ずみです。ただし、各項目を関連づけた方法では、今回初めて言及します。主な項目は、次のとおりです (^0^)

 

 

◆事業資源の活用度測定の着眼点

 

・損益分岐点分析の有効性
・製品の採算性

・生産資源の収益活用度
・事業収益の源泉

 

*用語「損益分岐点分析」
 損益分岐点分析は、変動損益計算書による売上と費用が同等となる損益分岐点、

 および利益獲得の収益性解析を指しています

 

*用語「変動損益計算書」
 変動損益計算書(変動PL、Profit and Loss Statement )とは、売上または製造

 数量に比例する変動費と、以外の固定費に区分して事業損益を算出するための計
 算書を指しています

 

これらの検証手段は、上記項目の上から順に次のように対応しています。過去、紹介済みメルマガNo.も付記しました

 

・変動損益計算書
 No.33 利益計画立案の流れ

 変動損益計算書そのものは紹介していませんが、上記項目「損益分岐点分析の有
 効性検証」のあとに活用する利益計画立案の流れを図解しています。

 変動損益計算書は、ごく一般的なもののため、メルマガで図解していません。あ
 まり見かけない形の連結版は、次のNo.に図解しています。縦の項目は、単独のも

 のとレイアウトは同じですから参考になるでしょう
 No.80 連結採算分析(連結の変動損益計算書と採算分析を図解)

 

・採算分析
 No.31 採算分析(図解あり)

 No.32 採算感度分析(図解あり)

 

*用語「採算分析」
 固定費の回収実態を知ることです

 

・短期的な生産プロダクトミックス
 No.92 生産プロダクトミックス(単一・複数生産ラインの試算例紹介)

 No.93 生産プロダクトミックス1(受注生産時の試算例紹介)

 

*用語「生産プロダクトミックス」
 正確には短期的な生産プロダクトミックスのことですが、本文では省略して、単

 に生産プロダクトミックスと称しています。現生産能力の範囲内で、限界利益額
 あるいは限界利益率を最大化する現状同様に出荷できる生産アイテム・数量の組み

 合わせのことです

 

・収益源マップ
 No.51 企業収益源の見える化(図解あり)

 No.53 収益源マップ活用法
 No.51 企業収益源の見える化(図解あり)

 

*用語「収益源マップ」
 収益源マップは、マーケットに対峙して事業収益獲得に活用される経営資源と当

 該構造を表します。一般に、販売地域・用途別、製品規格・品質グレード別のマ
 ーケット収益獲得実態と、製造資源の消費時間の明示が必要です。作成時には、

 一表にまとめることに固執せず、分かりやすさに重点を置きます。当マップの目
 的は、製品規格・用途別・営業利益あるいは限界利益と、主に製造時間当たり経

 営資源配分の実態を知り、事業収益の源泉を明らかにすることです

 

 

◆収益改善の視点

 

収益改善といえば、製造原価低減、業務効率向上などが第一に指摘されがちです。しかし、ここでの視点は、少し違っています。あくまでも、事業資源の持つ能力が、どの程度活用されているのか顕在化を図ることです。現在の売上高と営業利益が、事業資源としての販売・生産・開発・技術の能力を、どの位活用した結果なのか明確にします (∩_∩)

 

 

◆事業資源の活用度測定の目的と考えかた

 

冒頭に触れた、メーカー対象に全体最適から見た事業資源の活用度を測る方策の目的は、次のとおりです

 

・事業収益能力の最大化のため、現事業資源の活用度を定量的に把握する
・事業収益改善の課題を明らかにする

・課題達成の行動計画を立案する

 

事業資源の活用度は、極力、定量的把握を心がけますが、完全とは言えないケースも実際でてきます。その場合は、今後の改善・改革のしかた判断に資することが最低必要です。課題抽出時の基本的な考えかたを、次に例示します。この部分は、着手前に企業トップとの確認が必要です (^o^)

 

・生産能力を収益性の高い製品に移行させる
 (通常、新製品は対象外)

・不採算品の顕在化と販売縮小
・低採算品の統廃合促進

・現有資源の有効活用に重点を置く
・販売努力すべき分野を明確にする

・強化すべき技術・強みを明確にする
・短期的に実施できる課題を優先させる

・中長期的な課題は収益改善への寄与度を明確にする

 

 

◆損益分岐点分析の有効性検証

 

この課題は、収益改善に直接関わるものではありません。しかし、事業計画立案時の作業に欠かせない事項です。目的を紹介します

 

・事業計画の損益計算書試算を容易にする

 

事業計画より、利益計画のほうが一般的な言いかたかもしれません。この利益計画あるいは事業計画は、経営目的達成の予想損益計算書の立案です。まず目標利益を設定します。それに基づき予定固定費、予定変動費を見込み、最後に目標売上高を算出し、信ぴょう性高い当初設定の目標利益達成が可能な計画を立案します。つまり、経営目的達成の具体的な行動計画を作るわけです。この流れが、本来は望ましい方法といえます。いわば、ゼロベースからの計画立案、トップダウン型です (=^^=)

 

しかし、実際の方法は逆の流れが大半です。まず、売上高がどの程度見込めるのか計画します。次に、販売計画量に基づいた工場の稼働状況想定と原価算出です。その他の費用も、過去の流れを考慮した見込みで算出します。結果的に、営業利益額が算出されるわけです。この流れは積み上げ式の典型例、いわばボトムアップ型となります。日常業務の延長線上の発想と同じ、なじみやすい方法です。そのため、各企業で多く採用されています (^∧^)

 

どちらの方法がいいのかは、状況によりけりです。この項では、次の指標を明らかにするため作業します

 

・予定固定費を算出するための損益分岐指数
・予定変動費を算出するための限界利益率

 

いずれも、前段トップダウン型で使われる指標です。実際には、ボトムアップ型の計画立案にも活用できます。算出に必要な資料は、望ましくは過去5期分のセグメント別・変動損益計算書です。各期も上半期、下半期、期合計のように整理します。それぞれの変動損益計算書で、損益分岐指数と限界利益率を求めます

 

期単位に限定した検証手順は、次のとおりです。まず、前期の指標に基づき、翌期の実営業利益を目標と考えて目標売上高を算出し、実際とどの程度一致するか検証します。近似的に一致すれば、損益分岐点分析も有効に利用可能です。現物を目の前にしないと分かりにくいと思いますが、利益計画の試算を簡略的におこなえることになります。例を次に掲げました。算出式の意味は解説していませんが、このように計算するものと、ここでは理解お願いします m(_ _)m

 

・5期前の期合計・損益計算書の損益分岐指数と限界利益率を算出
 用語解説は長くなりますので、後段にまとめました (^0^)

 損益分岐指数を0.667、限界利益率を0.6(60%)とします。
 5期前の指標で、翌期4期前の検証実施。4期前の営業利益20億円、固定費40億円、

 限界利益60億円、変動費40億円、売上高100億円とします

 

・翌期(4期前)の営業利益20億円を、目標営業利益と想定

 

・翌期(4期前)の目標限界利益を算出
 0.667は損益分岐指数です

 予定固定費=(0.667×目標営業利益20億円)÷(1-0.667)=40億円
 目標限界利益=目標営業利益+予定固定費=20+40=60億円

 算出した結果、予定固定費、目標限界利益とも4期前の数値と一致しています

 

・翌期(4期前)の予定変動費を算出
 次の、0.6は限界利益率です

 予定変動費=((1-0.6)×予定固定費+(1-0.6)×目標営業利益)÷0.6
      =(0.4×40+0.4×20)÷0.6=40

 目標売上高=目標限界利益+予定変動費=60+40=100億円
 算出した結果、予定変動費、目標売上高とも4期前の数値と一致しています

 

5期前の指標を使い、4期前の営業利益を目標と置き換えて、翌期の5期を「計画」したことになります。言い換えると、当期の指標を使い、翌期の目標営業利益を設定すれば、必要な売上高が算出できるということです。同様に、4期前から3期前を、3期前から2期前をというように検証すれば、指標の有効性を確認できることになります  (^^)♂♂

 

*用語「損益分岐指数」
 損益分岐指数は、固定費を限界利益で割って算出する損益の状況判断に役立つ指

 数で、次のように判定します

 

 F÷MQ  <1 利益計上(目標0.7以下)
       =1 損益分岐点(=BEP)

       >1 必要売上倍率

 

 F:fixed cost、固定費、MQ:Marginal Income、限界利益(限界利益=売上
 高−変動費)、M:Marginal profit、単位限界利益、Q:quantity、売上数量、

 BEP:break-even point 損益分岐点

 

損益分岐指数1未満が、営業利益計上の状態です。従来の損益分岐点比率では70%以上が優良です。損益分岐指数では0.7と表され同様に解釈します。損益分岐指 数1が損益分岐点、当該売上高が損益分岐点売上高です。従来の損益分岐点分析 では、損益分岐点売上高を算出したことになります

 

営業利益が赤字のときは、損益分岐指数が1を超えます。このときの指数は、黒字化まで売上高が、あと何倍必要なのかを表す意味です。たとえば、同指数が1.5のときは、現状売上高がおおむね1.5倍超になれば黒字化します。したがって、損益分岐指数が1を超える場合の指数を必要売上倍率と呼びます

 

*用語「限界利益・率」
 売上高から変動費を引いた利益のことを限界利益といい、売上が1単位増えるこ

 とで増加します。限界利益を売上高で割った率が限界利益率です。固定費をまか
 なえる利益が限界利益に相当します。限界利益で固定費をまかなえる以上の売上

 を上げなければ、事業や企業の存続が難しいと判断すべきです

 

 

◆製品の採算性検証

 

製品の採算性検証は、採算分析でおこないます。採算分析のしかたは3種類です。それぞれの概要と活用目的を順に紹介します

 

・客先別・製品別・採算分析

 客先別・製品別の採算を明らかにすることが狙いです。作成対象の期間は月次単
 位とします。算出結果から、不採算品の収益改善策を立案すること、収益性の高
 い客先の拡販策を立案することが目的です。不採算品への対策には、値上げ・値
 戻し、数量増、原価低減、販売中止等があります。拡販策では、販売奨励金の増

 など、販促優遇策を講じることが一般的です

 

・製品別・客先別・採算分析
 同一品目の限界利益差異を知ることが狙いです。作成対象期間は、月次単位とし

 ます。同一品目を複数客先に販売している場合、とくに有効な分析です。客先別
 の売上単価が一覧的に分かります。したがって、不採算あるいは低収益性の品目

 の採算是正を図ることが目的です。前項同様、不採算品の対策は、値上げ・値戻
 し、数量増、原価低減、販売中止等があります。なぜ、採算性の違いが発生して

 いるのか確認が必要です

 

・製品別・採算分析
 品目別の採算を知ることが狙いです。作成対象期間は、半期あるいは期単位とし

 ます。不採算・低採算品の統廃合、高収益品の拡販対象を知ることが目的です。
 前段2つの採算分析と併用もあり得ます。品目全体として見ると不採算でも、特定

 顧客向けでは高収益品となっていることも考えられるからです。また、作業軽減
 のため、月次で作成後、必要時に期間拡大を図ることも有効と思います。この分

 析では、限界利益の大きい順に並べ替えることが必要です。また、不採算品の統
 廃合判断には、該当品目の販売客先、現在庫、在庫のある理由、営業担当者も明

 らかにします

 

 

◆生産資源の収益活用度算出

 

生産プロダクトミックス算出のしかたと事例は、No.92、No.93で紹介済みです。詳細を確認されるかたは、参照お願いします

 

生産プロダクトミックス(正確には、短期的な生産プロダクトミックスのこと)の算出により、現状生産資源を最大限活用したときの収益力を知ることが狙いです。生産資源を最大限活用したときの限界利益を算出します。より儲かる製品の生産・販売に移行するのが目的です。ここでは、生産プロダクトミックスの、もっとも簡単な算出概要を紹介します

 

☆概略算出時の事前準備事項

 

事前に準備するのは、特定の生産ライン、あるいは生産設備で現在生産・販売している品目別一覧です。この品目別の売上単価、変動単価、単位限界利益、単位当たり生産時間、販売可能数量を付記します。単純な生産制約の例としては、1カ月間の総稼働可能時間などです

 

☆概略算出の手順

 

次に、この製品一覧の品目を、時間当たり限界利益の高い順に並べ替えます。引き続き、生産制約の総稼働時間の範囲内で、一覧の上から順に販売可能量に要する消費生産時間の累計算出です。生産時間の累計が、制約条件としての総稼働可能時間と同じになったとき累計作業を終了します。次は、品目別の単位限界利益に生産数量を乗じ、品目ごとの限界利益算出です。最後に、生産数量が設定された品目の限界利益合計を算出します。これが、生産能力を最大限活用したときの限界利益です

 

結果を現状の実績と比較すれば、どの位、限界利益が増加したか分かります。これまでの算出実績では、おおむね10%〜40%程度の増加が見られました。ほぼ効果があることが分かっています。しかし、なぜ効果が出てくるのでしょうか

 

☆算出効果が現われる背景

 

生産設備は、販売実態を考慮し投資効率も吟味のうえ設置されます。生産効率の向上も工夫されるはずです。反面、顧客ニーズの変化に合わせて製品アイテムの増加、生産・販売中止、新製品の生産・販売、競合による値引販売など錯綜しています。また、製品間の限界利益の大小が、単位生産時間に生産される製品合計の限界利益の大小と逆転することも珍しくありません。販売できることを前提とした、製品の真に儲かる基準は、生産の時間当たり限界利益が最大となる品目です。前述した生産プロダクトミックス算出の方法は、この最大値を求めたことになります

 

☆活用方法

 

得られた結果の活用は、販売計画に反映させることです。短期・中期的に取り組むことになります。また、儲かることが分かっていても、そのとおり販売するのは困難ということもあるはずです。その場合は、生産設備や生産方法を、販売可能な製品に適合するように設備改造、技術開発、あるいは生産能力の縮小も検討対象になります。いずれにしろ、今後の販売環境に生産能力の持ちかたを合わせることが重要です

 

 

◆事業収益の源泉把握

 

収益源マップのフォーマットにしたがって算出します。収益源マップの狙いは、製品群別・用途別・限界利益と、主に製造時間当たり経営資源配分の実態を知り、現状事業収益の源泉を明らかにすることです

 

☆収益源マップ作成の概略手順

 

フォーマットの縦軸に製品群を採ります。横軸が用途です。ここでいう用途は、マーケットセグメンテーションの意味になります。たとえば、縦軸の製品群に高規格品、汎用品、特殊用途品としましょう。横軸の用途が、電子機器、印刷、特殊ガラス、産業資材等です。この表の交点には、限界利益を入れます。そうすると、どの製品群が、どの用途で、事業収益を幾ら稼いでいるのかが一目瞭然です。つまり、現状事業の収益源がマトリックス的に確認できます

 

☆マーケットへの攻略方法示唆

 

本来は、同上交点の競合分析が必要です。たとえば、高規格品の電子機器用途の限界利益が、事業収益全体の1%あったとします。調査の結果、マーケットシェアは2%と判明しました。マーケットシェアが小さいので拡大余地ありと見るか、逆に弱小だから勝ち目がないと考えるかによって、対策は大きく変化します。いずれにしろ、今後の販売促進のしかた、技術開発、コスト低減等、何らかの対策が必至です

 

もう一つ例を挙げましょう。同様の交点で、汎用品の特殊ガラス用途では、販売実績がありません。マーケット調査をしたところ、需要規模が年間100億円あることが分かりました。追加で、この用途の要求品質、価格、納期なども明確になっています。自社技術、製造設備などから考え、対応する製品は十分供給可能と判断されました。賢明な読者なら、どのように判断しますか (^0^;)

 

このように、収益源マップの活用により、新たなマーケットの開拓や競争力強化の課題を発見できます。持てる事業資源の有効活用には欠かせないものです

 

もう一つの見方があります

 

☆限界利益と生産資源投入のかい離

 

収益源マップの横軸用途の右側に、生産稼働時間が必要です。上の例を基にすると、高規格品、汎用品、特殊用途品に対し、生産時間の実績を入れます。たとえば、高規格品では限界利益の15%を稼ぎ、生産時間では30%を消費しました。汎用品では、限界利益の60%を稼ぎ、生産時間の消費は40%です。生産資源の投入割合から判断します。高規格品の限界利益獲得に消費する生産資源より、汎用品のほうが事業収益への貢献度が高いということです

 

対策としては、高規格品の生産資源投入割合を、収益貢献度と同じ15%に落とせるよう製造改善、設備改造、製法改善、技術開発が欠かせません。いっぽう、汎用品のほうはより重要です。事業収益貢献度の高い製品群は、一般的に製品年齢も長いものが多い気がします。その分、製造改善等も進んでいることが多いわけです。反面、わずかな製造原価低減でも得られる効果が大きく出てくることから、優先度を高めた製造改善の努力をすべきです (^-^)

 

 

◆事業資源活用の所感

 

事業資源の活用度を定量的に知ることは、事業戦略立案に欠かせません。しかし、各企業の実態を見る限り、自身の事業実態を理解しているとは言いがたい場面に、これまで何度も遭遇してきました。損益分岐点分析、採算分析、短期的な生産プロダクトミックス、収益源マップの、どの局面から見ても事業計画に反映されていないことが多いからです (^0^;)

 

なぜ何でしょうか。もちろん、企業内の階層によって事業計画に対する見方は変わります。推定ですが、所属部門の最適解追求が日常業務化しているからではないでしょうか。サラリーマン生活では、特定部門に所属し、ある時期まで部門最適追求が本人に求められた役割の大部分を占めます。それが、ある日突然、事業部長や取締役を拝命したとしても、見方は急に変わりません。経営者としての王道が身に付いているわけがないからです (>_<)

 

この見方が正しいのかどうか定かではありません。どうか、今回視点から事業を再検証されることを願ってやみません (^▽^)

編集後記

メルマガ「収益改善に役立つ統制指標の切り口」の配信は、今回が最終号です。祝日と特別休暇の月曜を除き、一度も休むことなく、良く続けてこられたと自分ながら感慨深いものを感じます (=^^=)

 

本の執筆を始めることにします。平日、本の原稿を書くことは、なかなかできません。そのため、以前から本格的に本を書く段階ではメルマガを休筆しようと考えていました。今回のメルマガは、その意味で主旨に沿った内容の総仕上げ版になっています。メルマガ配信は休刊しますが、メルマガWebサイトのほうは、しばらく開放の予定です (^0^)

 

 今回頁数は次のとおりです
  436行/校了時点の合計÷53行/頁≒8.2頁

 

長い間のご愛読に感謝いたします。
ありがとうございました  m(_ _)m