収益改善に役立つ統制指標の切り口
【現役 経営コンサルタントの裏情報!】
発行 2010/10/18 No.77
【目次】
1.収益管理Pの見える化1
まえがき
こんにちは 前田です!
◆部屋に入り込むキンモクセイのかおり
書斎の窓を開けると、キンモクセイの香りが漂ってきます。書斎は2階ですが、窓の
下にキンモクセイが1本あります。先日9月25日に剪定しました。切りすぎなかった
のが幸いしたようです。剪定してまもなく、花が咲きました (^−^)
キンモクセイが、これだけいっぱい咲いて香りを振りまいているのは、初めてのよ
うな気がします。現在地に引っ越ししたのが、2001年10月23日ですから、まもなく
9年目です。キンモクセイは引越前からありました。ハクモクレンは、引越後に植え
ています
メルマガWebサイトに、我が家のキンモクセイの写真を掲載しました。香りを味わっ
てください (^^)♂♂
きょう10月10日、散り始めました。メルマガ配送時には、写真の花も残っていない
ことでしょう(配送前10月14日に確認したところ、花は残っていませんでした)
自宅のキンモクセイ
剪定と関係ありませんが、今ではハクモクレンの背丈が、キンモクセイより高くな
りました。放っておくと、ハクモクレンは大木になってしまいます。狭い植え込み
に向いた樹木ではありません。もっとも、分かったのは植えた後のことです。ハク
モクレンは、自由を束縛せず、伸ばすことができる環境で育てるべきと思います。
人の場合は、どうなんでしょうか (=^^=)
◆クールビズ(COOL BIZ)
それにしても季節は正直です。あれだけ暑かった夏は、どこに行ってしまったので
しょうか。クールビズですが、ノーネクタイ、ノー上着を中心とした夏のビジネス
用軽装の愛称です。環境省推奨の、このクールビズは6月1日に始まり9月末で終わり
ました。小生は例年、夏服から冬服への衣替えは、12月からにしています。切り替
えは、季節というより自身の体感によっているわけです。皆さんはどうしています
か (?_?)
先日、JR神田駅近くのネクタイ屋さんに、物色のため立ち寄りました。クールビ
ズの影響で、夏場の売れ行きがばったりと止まってしまったそうです。お客さまは
神様ですと、何度も言われました (●^o^●)
◆電話を右耳で聞く
自宅では、毎朝5時頃からラジオを聞いています。ほとんどTBSです。先日の放送
で、ゲストのかたから、貴重なお話しを伺いました。電話は右耳で聞いたほうが、
理解が早いのだそうです。小生は右利きですから、右手でメモを取りつつ、左手で
受話器を右耳に当てることになります。自分自身のことながら、脳力発揮には工夫
が必要なんですね (^0^)
右耳で聞いたことは、左脳に直接入るのが理由とのこと。左脳は論理・常識・言語
をつかさどり、判断力が早くなるとお話しされていました。これに対し、受話器を
左耳に当てると、どうしても判断スピードが一瞬遅れるとのことです。左耳から聞
いたことを判断する右脳は、創造性・直感・イメージなどをつかさどっています。
論理的なことは左脳にバトンタッチするため、その分遅くなるとのこと。問題は、
これから訓練して効果があるかどうかです。番組キャスターの生島ヒロシ氏も、同
じことを言っていました (^∧^)
◆ラジオも右耳で聴く?
ついでといっては何ですが、小生がいつも聞いているラジオ番組を紹介します。普
段、ラジオを聞くのは午前中です
TBSラジオ 月曜日〜日曜日、平日は5時頃から出かけるまで
土日はお昼頃まで聞いていることもあります
TBS以外に次の番組も聞いています (∩_∩)
NHK第1放送
日曜日 朝6時すぎ、なぎら健壱の「あのころのフォークが聴きたい」
日曜日 朝8時すぎ、音楽の泉(クラシック音楽)
原稿が書けるようであれば聞き流ししています。メルマガのときは、気が散って書
けません。こんなときは、インターネットのクラシック専門放送を聞くようにして
います。iTunes(アイチューン)のKDFCが代表格です (^0^)
1.「収益改善計画」の活動企画見える化
紛らわしい見出しですが、次の項にて、この内容確認をお願いします m(_ _)m
◆PDCAの見える化
PDCAを回すことをマネジメントサイクルといい、管理すると同義です。マネジ
メントサイクルの狙いは、管理水準の効率的な維持と向上にあります。本段落見出
しのPDCAの見える化は、字のごとく、視覚化を図ろうというものです
PDCAの見える化には、収益管理を例に採りあげます。PDCAを回す管理対象
を収益とするわけです。ややこしい言い方になっているかも知れません。企業にお
ける収益管理のPDCAといっても、この計画自体持っていないことがあります。
そこで「収益改善計画」の活動企画見える化から採りあげることにしました。やや
分かりにくいかもしれません。収益改善活動の進め方の計画立案をおこなう活動企
画の見える化という意味です (=^^=)
最終的には、PDCAそれぞれの見える化を考えています。見える化の方法は、決
して目新しいものではありません。ツリーや表が中心です。ただ、PDCA全体に
拡大した場合には、誠に有益と考えます。内容の多さから、何回かに分けての紹介
にならざるを得ません。おおむね、手順は次のとおり予定しています
◆見える化紹介の想定流れ
1.見える化の前提確認
収益管理をPDCAの見える化対象に選定、PDCA(管理)のP(計画)部分
の一部見える化から着手
2.「収益改善計画」の活動企画見える化をする
(収益改善の計画ではありません。一つ前の段階です。念のため。調査・分析項
目の直接的な目的と、同項目の活用目的は極力付記します)
3.同上活動企画の見える化を紹介
ツリーに整理します → 今回はここまでです。以下、次回以降です
4.活動企画の作業によってできた「収益改善計画の見える化」を紹介
(調査・分析の内容と検討のしかたそのものではなく、成果物中心に紹介予定で
す。次回以降に予定)
5.順次、DCAの例を紹介(次回以降に予定)
◆管理の見える化は難易度高い
企業の管理水準は、質問させていただければ、おおむね推定できます。しかし、そ
の実態を第三者にも簡単に示すのが意外に難しいのです。見える化のしかたは、以
前から悩んでいました。逆に、明快な見える化ができるなら、企業内の問題顕在化
と改善への貢献も期待できます (∩_∩)
収益管理と言っても、やや分かりにくいかもしれません。何を管理すればいいのか
悩まれることでしょう。本来、収益とは顧客の望む効用と満足提供によって得られ
る対価、またはマーケットから得られる売上の意味です。この意味で使う場合は、
マーケット収益と表現します。本号における収益は、とくに解説していない限り、
売上高あるいは利益と同じ趣旨です。同様に収益改善は、売上高と利益の増加、あ
るいはコスト低減への貢献を狙っています
◆収益管理とは
メーカーの収益管理とは、収益を直接生み出す販売・生産・物流・開発のライン部
門を、部門別業績把握が可能な事業別・地域別・工場別・製品別・工程別など極力
小さい単位に区分し、予実績把握と達成度引き上げを図るしくみをいいます
ここでいう業績は部門によって変わりますが、収益向上に寄与する売上高、売上数
量、平均売上単価、生産量、発生費用、部門目標、管理・統制指標等を指していま
す。同様に、しくみとはPDCAのマネジメントサイクルを回すことです
まず、マネジメントサイクルの意味を確認しておきましょう
P(Plan) :計画、あるいは対策立案と目標設定
D(Do) :実践
C(Check):予実績評価
A(Act) :差異要因解析
◆「収益改善計画」の活動企画見える化 −まとめ−
全体の結論を、先に提示します。図解を想定して、まとめました。最小限、見方の
ルールだけはご了解お願いするものです m(_ _)m
図解形式はツリーですが、表形式でも可能です。一番左を頂点として階層ゼロのL0
(レベルゼロ)とし、順に右側に向けてレベルダウンします。したがって、L0 →
L1 → L2 以下同様です。テキスト形式のため見づらいと思いますが、ご容赦
お願いします
構想案の内容によっては、レベルダウンのしかたに工夫が必要でしょう。知恵を生
かしてください (^o^)
◆今回事例の目標
ただし、今回は最初の段落「PDCAの見える化」で述べたように、Pの計画がで
きていないケースにおける管理対象を例にお話しします。設定された改善・改革の
目標は次のとおりです
☆収益改善の3年後の達成目標
1.営業利益 20億円
2.営業利益率 15%
◆実際のツリー形式
L0 は、収益改善の構想立案計画となります。今回見える化の対象は、この収益改善
計画の活動企画です。構想案が複数の場合は、それぞれのツリーが必要となります
・方針・目標は、ツリーの外に明記します
・ツリーの構造はつぎのとおりです。後段で紹介しますが、実際の姿はサイト上に
掲載します
L0が構想案
ex.収益改善の構想立案計画
L0−L1-1−L2-1−L3-1
−L3-2
−L2-2−L3-8
−L3-9
−L1-2−L2-10−L3-30
−L3-31
−L1-3−L2-20−L3-50
−L3-51
L1レベルが構想案骨子
ex.
・事業構造の調査分析
・収益構造の調査分析
・需要構造の調査分析
L2はL1をレベルダウンさせた内容です
L3はL2をさらにレベルダウンさせた内容
できる限り、レベル3までにとどめるのが無難
事例ではここまでレベルダウンしていません m(_ _)m
あとで、案の追加があるときは枝番を付けて表記します。 ex.L2-10-1、L1-30-1
◆後段の「構想立案に要した検討項目」を表したツリー
☆収益改善の3年後の達成目標
1.営業利益 20億円
2.営業利益率 15%
L0 収益改善の構想立案計画
L1-1 事業構造の調査分析
L2-1 ビジネスモデル
L2-2 ビジネスプロセス
L2-3 事業定義
L2-4 用途別・製品群定義
L2-5 製品定義
L2-6 製品体系
L2-7 生産分担マップ
L1-2 収益構造の調査分析
L2-8 収益構造図
L2-9 製造原価の固変区分
L2-10 収益源マップ
L2-11 採算分析
L1-3 需要構造の調査分析
L2-12 用途別・需要・販売予測
L2-13 同上マーケットシェア
L2-14 競合分析
L2-15 主要競合先の原価分析
*作成時の留意点
直接の担当者以外のかたにも分かるよう、各レベルに項目そのものの目的と、そ
れをおこなう活用目的の明記が不可欠です。本文では、後段「構想立案に要した
検討項目」の説明に付記しています
「収益改善計画」の活動企画見える化
メルマガWebサイトでは、実際のツリーで図解しました
メルマガWebサイト:http://merumaga.jimosen.com/
次からが、本来の流れに沿った内容をまとめたものです。順を追って読み進みお願
いします m(_ _)m
◆事例企業2社の概要
収益計画は、企業の置かれた実態により大きく変わる可能性があります。ご紹介の
内容は、次のような事例に該当するメーカーです。事例2つの現況を紹介します
◆事例1 新規参入で業績悪化
電子部品メーカーです。技術開発型で成長した企業の典型と言えるでしょう。売上
数量は伸びていますが、競合先出現により売上単価の低落が続いています。利益率
の悪化が止まりません。マーケットシェアも、ここ数年で10%落ちています。この
ままでは2〜3年後に赤字化必至の状態です。何とか、生き残り策を見出したいので
すが、今だこれという構想立案に至っていません
◆事例2 需要減と普及品へのシフト
公共事業の橋梁等向け製品を供給する、国内上位企業です。強みは、技術力に裏打
ちされた品質の高さにあります。この分野では、いまだ他社の追随を許していませ
ん。しかし、国や地方財政の悪化、人口減などにより年々、公共事業は縮小の一途
をたどってきました。技術力を生かし、民需シフトで売上減少を補っています。と
ころが、民間需要も最近の経済状況で冷え込みが激しく、一昨年は赤字に転落しま
した。昨年は黒字回復しています。ただ、海外からの普及品に代替されるケースが
増え、先行きの見通しが立ちません
これら事例の業界は異なりますが、かなり厳しい環境です。2008年9月15日、米国・
リーマンブラザーズは連邦倒産法の適用を連邦裁判所に申請し、事実上倒産しまし
た。いわゆる、リーマンショックです。需要が一気に半減し、今だ回復していない
業界もあるようです。しかし、内需が元に戻ることは期待薄と小生は考えます
まず結論を提示します。事例の状況打開をめざす、抜本的な構想案の内容です。収
益改善の抜本策は、次回以降の紹介です。2社とも、現時点で収益改善計画ができて
いません。まずやるべきことは、収益改善の計画立案ができる活動企画を明らかに
することです。次の段落から3つの主要検討項目を紹介します
◆構想立案に要した検討項目
収益改善に欠かせない、抜本的な検討項目を掲げます。一部情報が無かったり、現
状データが取れなかったりしたため、以下の全項目を両社が網羅しているわけでは
ありません (∩_∩)
◆事業構造の調査分析
事業構造とは、収益事業の目的、提供する付加価値、マーケット収益獲得に欠かせ
ない基本業務とその運用を指しています。事業構造を知る目的は、これに沿った要
件と水準の過不足を知り対策検討に役立てるためです。以下、事業構造確認の項目
と、それを知るための目的をお話しします。あらかじめお断りしますが、各項目の
内容は最小限にしました。テーマの狙いが見える化にあるため、本文が長くなりす
ぎることを避けるためです。事業構造把握には、以降の☆項目明確化が必須なこと
をご理解いただきたいと思います
☆ビジネスモデル
この項目を知る目的は、典型例と現モデルの比較により、マーケットに対峙する基
本業務の過不足と同業務の再選択に役立てるためです
上記典型例の理解には、企業の基本業務とは何かという、認識が欠かせません。た
とえば、メーカーなら生産、技術開発、販売、マーケット開発、物流が基本業務で
す。最近は、さらに部門間統制が必要とされることが増えてきました。私どものい
う、業際間統制機能です
例として、上記基本業務の再選択を、生産対象に説明します。自社生産から、委託
生産への移行、生産部門の子会社化などです。ビジネスモデルが変わると、ビジネ
スプロセスも変化し影響が大きくなります。海外生産へのシフト例に多く見られが
ちです
☆ビジネスプロセス
事業遂行の基本業務の流れを確認し、過不足と役割分担、基本業務の選択検討に役
立てることが、この内容確認の目的です。ビジネスモデルが変わると、ビジネスプ
ロセスも変化します。新たに必要な部分を追加しないと、事業として欠陥を抱える
ことになりかねません
現に、この点でお手伝いした企業もあります。割と単純ですが、生産機能を自社か
ら切り離したら、調達コスト査定が十分にできなくなったのです。笑い話のように
聞こえるかもしれません。とは言うものの、これが現実です (^∧^)
☆事業定義
知る目的は、事業定義にしたがった要件を満たしているか確認のためです。現事業
定義を最近のマーケット状況に合わせて検討し、必要あれば再定義します。再定義
すれば、ビジネスモデル、ビジネスプロセスの変化があり得ます。基本業務に過不
足が生じないか、注意が必要です
事業定義に限りませんが、定義に含まれるべき一般要素は次のとおりです。もちろ
ん、事業定義、後述の用途別・製品群定義、製品定義にも大半当てはまります。納
得いく定義にまとめる過程では、自ら気付くことが多いものです。ぜひ、試しに書
いてみることをお薦めします。意外に、今まで考えていなかった自分の姿を見るこ
とになるかもしれません (=^^=)
ゝ定義に含まれるべき一般要素
・顧客は誰か
・目的は何か
・提供するモノはなにか、何ができるか
・どのように提供するのか
・顧客の得られる効用と満足はなにか
☆用途別・製品群定義
知る目的は、用途別に必要なQCDSに過不足ないか確認することです。製品を、
見た目の物だけと捉えがちなことがあります。次の用語説明の中にも一部書いてい
ますが、顧客から見て必要なのは物だけではありません。競合に競り負ける要因の
一つが、そこにあります
*用語「QCDS」
QCDSは、品質(Quality)、価格(Cost)、納期や入手性(Delivery)、対応やサポート
(Service)の水準を指しています。製品により、量の供給能力、安定供給力、機能
保証もさらに必要です。機能保証とは、製品だけでなく、カタログ、取扱説明書
があって初めて使い方が分かり、製品本来の能力が発揮されることを意味します
☆製品定義
知る目的は、製品定義を確認し顧客から見たQCDSが十分か確認することです。
製品定義の過程では、何のためにあるのか、そのものの目的は何か、どんな機能を
実現するのか、どんな効用を提供するのかなど改めて考えることが欠かせません
このように考え、定義することによって顧客に提供すべきモノが何であるか分かる
ようになってきます。この考えかたは、設計者あるいは開発者の思考にほかなりま
せん。ぜひ、自社の製品定義に再挑戦してみて下さい
☆製品体系
製品群別のマーケット用途を知り、QCDSからみた問題・課題抽出が作成の目的
です。製品体系とは、事業の製品群が、どのマーケート用途に提供しているのか表
形式に視覚化したものです。整理のしかたは難しくありません。しかし、縦と横軸
の区分が意外にうまく行かないことが多いのです
お薦めは、縦軸に製品群、横軸にマーケット用途を採ります。交点に該当製品があ
る場合に○を入れるだけです。○に代えて、限界利益、需要、販売量、マーケット
シェアなどをプラスすれば、後段の収益源マップや販売予測などに活用できます。
自社分で試していただければ分かりますが、横軸のマーケット用途をうまく区分で
きない例が多いのです。その理由は、マーケットに対峙する企業付加価値提供の関
連性追求が弱いと考えられます
*用語「収益源マップ」
収益源マップは、マーケットに対峙して事業収益獲得に活用される経営資源と当
該構造を表します。一般に、販売地域・用途別、製品規格・品質グレード別のマ
ーケット収益獲得実態と、製造資源の消費時間の明示が必要です。作成時には、
一表にまとめることに固執せず、分かりやすさに重点を置きます。当マップの目
的は、製品群別・用途別・限界利益と、主に製造時間当たり経営資源配分の実態
を知り、事業収益の源泉を明らかにすることです
☆生産分担マップ
自社内を含む生産分担の実態把握が、資料の作成目的です。生産分担により、営業
利益も変化します。生産分担を含む調達方法の再選択は、さらにビジネスモデルと
ビジネスプロセスの変更にもなりますので、注意が必要です。また、原価管理、見
積方法、収益管理、統制方法も変わります。したがって、本資料の活用目的は、生
産分担の再配置検討に資することです
生産分担マップとは、製品の品揃えを、自社の複数工場あるいは自社生産を含む外
注や購入などの製品調達先をどのように分担するのか表わした鳥瞰図のことです。
一般に、表形式で表わし、いっぽうの軸に製品群、他方の軸に調達先を採り、交点
に該当を表わす○を入れます。製品体系の場合と同様、交点に限界利益、需要、販
売量、マーケットシェアなどをプラスすれば、後段の収益源マップや販売予測など
に活用できます
◆収益構造の調査分析
収益構造とは、マーケット収益獲得の実態を、マーケット用途と企業の経営資源の
投入状況の関係を指しています。収益構造を知る目的は、事業収益の源泉と採算性
の確認により、経営資源の再配分に役立てるためです。課題抽出には、何としてで
も改善しようとする視点からの知恵が求められます
☆収益構造図
内容理解には、量産効果、損益分岐点分析、コスト改善の重要度把握に慣れが必要
です。経費の固変割合が、ある程度異なる製品群別と事業別作成をお薦めします。
採算情報を鳥瞰図的に得ることが、当資料確認の目的です。次の用語解説に入れて
いませんが、海外移転等の検討には公租公課、国内立地ゆえに生じるコストを明示
することも必要と思います。活用目的は、上述の量産効果、損益分岐点分析などに
役立てることです
*用語「収益構造図」
損益計算書上位の売上を左側に置き、同下位の損益算出に至る計算の流れを右側
に上から順を追って階層段階別に費目を配置した損益構造を表す階層図です。財
務会計、管理会計の原価計算方式によって内容が異なります。経営管理上から、
もっとも推奨できるのが直接原価計算方式の収益構造図です
☆製造原価の固変区分
本資料は、図を見たほうが分かりやすいと思います。意外に役立つ参考資料です。
活用目的は、製造原価低減、量産効果、埋没コスト、内外製区分など、詳細検討前
の重点把握に役立てることができます
資料作成の目的は、製造原価の固変区分別の大きさを明らかにすることです。原価
費目の構成が同じ製品群別に作成します。上述、収益構造図の製造原価版と言った
ほうが分かりやすいかもしれません。作り方は簡単です。縦型ボックスの左側に製
造原価合計、同じボックス内その右側上から順に、変動費、固定費と区分します。
さらに、同ボックス内の変動費右側に、変動費の内訳をコストの大きい順に上から
入れていきます。通常、原材料費、電力費、燃料費、その他変動費くらいで十分で
す。同様に、固定費の右側にも内訳を加えます。一般に、労務費、減価償却費、修
繕費、その他固定費程度でしょうか
☆収益源マップ
当資料そのものは、事業収益の源泉を知るために作成します。この資料の活用目的
は、事業収益獲得に投入する経営資源の配分割合を知り、同資源の再配置検討に役
立てるためです。やや、分かりにくい説明かもしれません。当資料の活用目的は次
のとおりです
・投入経営資源に対してもっとも収益性の高い製品群のコスト競争力をさらに強化
します。たとえば、製造原価低減、販売拡大策実施などです。要するに、儲かっ
ているものは、さらに伸ばす策を優先的におこなうことを意味します
・つぎに、投入資源に対して収益性に難点のある製品群は、投入資源の効率を向上
させる努力を最優先させます。たとえば、製造原価低減、売上単価の引き上げ、
売上数量の拡大などです
・マップの交点に限界利益がないか、あるいは少ない部分についてマーケット確保
策を追求します。新製品開発、新規市場開拓の必要性と今後の方向性を検討が必
要です
恐れ入りますが、詳細はNo.74「収益源マップ改訂版」を参照お願いします。用語解
説は、前段で掲載済みです
☆採算分析(製品別、客先別・製品別)
この資料そのものは、製品別、あるいは顧客別・製品別の採算と損益分岐点分析を
見ることです。採算とは、固定費の回収状況を指しています。したがって、当資料
確認の目的は、採算改善策のシナリオ立案と、シナリオに基づくシミュレーション
情報の提供です。ただし、収益管理の計画段階では、ここまでの詳細情報を必要と
しないことが大半かもしれません (^0^)
◆需要構造の調査分析
需要構造とは、マーケット収益獲得の事業構造に対応するマーケットの実態を指し
ています。とくに、自企業の製品群別・用途別のマーケットと同じ領域を収益源と
する現競合先、潜在競合先の情報収集と分析が不可欠です。潜在競合先とは、新技
術などによる新規マーケットの相手先を指しています
技術開発型の企業では、この部分の対策が手薄になりがちです。新規参入時の段階
では想定できなくとも、継続的に情報収集を試み、差別化に生かすことを推奨しま
す。需要構造を知る目的の一つは、マーケットに対峙する自身の位置づけを確認す
ることです
以下項目の、定型フォーマットはありません。目的と調査・分析に応じ作表が必要
です。内容も項目である程度、推定可能と思われます。とくに説明は加えません
m(_ _)m
☆用途別・需要・販売予測(製品群別・量・金額、事業年度別に5年間程度)
☆同上マーケットシェア
☆競合分析(上記2項目に加え、品質、強み・弱みなど)
☆主要競合先の原価分析(ぜひ欲しい情報です)
これらの情報を知る目的は、個々の資料によって異なるわけではありません。今後
の事業収益拡大に向け、自らの事業・収益構造を強化する具体策に結びつけること
が活用目的です
◆その他の調査分析
ケースにより、自社ライン部門のオペレーションコントロールの実態も加えた構想
案作成が不可欠とされることもあります。必要時には、ツリーのL1レベルに必須で
す。メルマガWebサイトの図では、オペレーションコントロールの実態把握をプラス
しています。このたび、詳細は省略します m(_ _)m
今回は収益管理PDCAのPの部分に当たる、「収益改善計画」の活動企画見える
化について言及しました。今後も、PDCAの見える化が完了するまで紹介予定で
す。ただし、時季に応じた話題になる可能性もあります (^−^)
編集後記
PDCAの見える化は、小生自身の以前からの課題でした。ようやく、原稿を書け
るまでになったものだと、自分自身感じるところがあります。見える化と言うから
には、図解が一番なのですが、テキスト形式のメルマガだとそうも行きません
原稿は、体育の日、10月11日(月)に書きました。今日11日のメルマガ発行はあり
ません。次回10月18日向けの原稿を書いているわけです
10月10日、きのう日曜日は連続で3000m泳ぎました。時間は何と、69分10秒もかかっ
ています。だいぶ前に比べ、10分くらい遅くなりました (>.<)
3連休なか日のせいか、誰にも邪魔されずに泳げたんです。追加で100m泳ぎ、プール
から揚がって光明石の温泉を楽しみました
今回も書きながら考えて、筆を運んでいたため、結構な時間を要しています。はっ
きりしたテーマでは、原稿の分量をある程度想定できるのですが、ここ数回はそう
なっていません。そのため、長くなってしまいお詫び申し上げます。
今回の頁数は 560行/校了時点の合計÷53行/頁≒11頁 です。
最後までお読みいただきありがとうございました m(_ _)m
これに懲りずに、次回またお会いしましょう (^.^/)))~~~bye!!