収益改善に役立つ統制指標の切り口

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 収益改善に役立つ統制指標の切り口 【現役 経営コンサルタントの裏情報!】
 発行 2011/09/26 No.119

 

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【目次】

1.強みを生かす

まえがき

こんにちは 前田です!

 

メルマガWebサイトには、草津温泉の写真を掲載しています (^v^)

 

 メルマガWebサイト:http://merumaga.jimosen.com/

 

お盆休みを利用し、8月17日(水)〜8月20日(土)の3泊4日で草津温泉に行ってきました。今回は念願かなって、18の共同浴場全部と足湯3箇所も入湯しています。引き続き、草津温泉の共同浴場の写真紹介です。前回紹介済みの西側から順に、草津温泉の共同浴場3箇所、白旗の湯、凪の湯(なぎのゆ)、翁の湯(おきなのゆ)を掲載します (●^o^●)

 

白旗の湯

                白旗の湯

 

白旗の湯は、写真の左が光泉寺、右の奥が湯畑です。写真の左が男湯、右が女湯となっています。観光客向けの共同浴場です。いつ行っても混んでいます

 

                     由来の案内
由来の案内8月18日の朝8時半に訪問。すでに、先客のかたが3人いました。源泉は白旗そのものです。日によって、温泉の温度は熱かったり、ぬるめだったりすることがあると聞いています。写真の案内のように、歴史を感じさせてくれます (^0^)

 

                     白旗の湯
白旗の湯浴槽は2つです。この日は、入口を入って左にある写真の浴槽のほうが熱くてすぐには入れませんでした。しばらく、掛け湯をして体を慣らし、静かに静かに入浴させていただきました。今回確認したところでは、共同浴場の中で白く濁っているところは、ここと地蔵の湯のみのようです (∩_∩)

 

凪の湯

                凪の湯

 

凪の湯(なぎのゆ)の場所は、湯畑から西の河原(さいのかわら)通りを少し入ったところにあります。分かりづらい場所です。湯畑方向から進むと、饅頭を威勢良く配っているお店が目印になります。この手前を右に入った突き当たりです (^0^;)

 

                      凪の湯
凪の湯男湯は、写真左の階段を下りたところに半地下式の浴槽があります。割りと狭めの浴場で、共同浴場の中では唯一、すべて木製です。入浴させていただいたのは、8月17日14時35分。源泉は西の河原、小生一人で、お湯はややぬるめでした (=^^=)

 

                凪の湯の向かいのラーメン屋さん
ラーメン屋凪の湯の後ろ向かいには、写真のラーメン屋さん「しんちゃん」があります。次の日の昼食場所です。翌日も、高校野球の真っ最中で、お客さま共々だいぶ盛り上がっていました (^−^)

 

 

 

翁の湯

                翁の湯

 

最後は、翁の湯(おきなのゆ)です。8月17日の12時10分に入浴させていただきました。先客はいません。源泉は湯畑で、ややぬるめでした。草津バスターミナルから500m弱のしゃくなげ通りに面しています。表からの見栄えより、中はかなり古い建屋のようです

 

                      翁の湯
翁の湯温泉は止めないようにとの注意書きがあり、写真のとおり、勢いよく注がれています。

ここで腕時計を紛失されたかたがいたらしく、写真入りの捜し物ポスターを、脱衣場内に貼る町の職員らしきかたとお会いました。年代物のG-SHOCKらしく、値段は高くないが記念にいただいた大事なものなので発見したらぜひお知らせ下さいとのこと。見つかって、持ち主の元に帰って欲しいものです (^▽^)

 

1.強みを生かす

事業収益拡大策の一つに企業の「強みを生かす」ことが挙げられます。いいところ
を伸ばし、弱みを補強するのが一般的です。しかし通常のケースでは、弱い面の補

強よりも、強みを生かすほうが収益貢献度も高くなります。ただ、実際に検討を始
めると壁に突き当たることが多いのです。自らの強みが何であるのか、なかなか明

確になりません。そこで、強みの引き出し方の一例を次の流れで紹介することにし
ます (∩_∩)

 

 

◆本文の流れ

 

それぞれの見出しとは一致していませんが、次の展開で進めます

 

・強みとは
・強み・弱みは企業の風土に根ざす

・体質改善が必須の弱み克服
・予実績管理による例

・強みを引き出す「マーケット収益モデル」
・強みの事例

・強みへの活用と対策

 

 

◆強みとは

 

強み・弱みのSWOT分析などでも使われる用語です。SはStrength(強み)ですが、例
として、技術力がある、製品品質が優れている、安定顧客が多い、社内の雰囲気が

よいなど挙げられます。また、強みは逆に弱みともなります。たとえば、安定顧客
が多いということは、その顧客と競合する顧客は、新規の販売先とはなり得ないか

もしれません。最近お手伝いしたメーカーでは、販売先がほぼ安定顧客になってい
ました。案の定、安定顧客と競合する顧客には販売実績がありません。安定顧客の

存在が、ある面で販売の阻害要因となっている例です

 

そこで、強みという内容に若干制約を設けることにします。収益改善に有効である
かどうかを、強みの判断基準に加えて見ることにしましょう (^-^)

 

 

◆多難な弱み克服

 

経験則ですが、強み・弱みともに企業の文化・風土・体質に根ざしており容易には
変えられません。私どものように外部からお手伝いさせていただく場合、その部分

にメスを入れることは、とくに至難なわざです。弱み補強の対策実施には、強権発
動としての業務命令、人事異動、組織変更などの経営専権事項が多くなります。結

果として、体質改善を本気でおこなう場合は、経営トップ自らの折伏(しゃくぶく)
なしには困難と言わざるを得ません (^▽^)

 

言い換えると、まず経営トップが体質改善の青写真を自ら持つことが第一です。つ
ぎに、その実現のため内部ではできにくいこととか、体質改善のスピードを上げる

などのために、外部起用の心がけを推奨します (∩_∩)

 

企業体質の改善がされないと、実現困難な課題のお手伝いもあります。身近なテー
マでは、予実績管理の推進、業績評価のしくみ再構築、事業方針の実現度向上、事

業管理層のマネジメント力向上、クレーム削減などです。いずれも、ある段階まで
行くとなかなか進まなくなる傾向があります。分かりにくいと思いますので、予実

績管理の推進を例に採りあげます

 

 

◆予実績管理推進強化の概略手順

 

必要と思われる用語は、当段落の後段にまとめています

 

・予実績管理の概略運用案作成
 PDCAのマネジメントサイクルを回す目的、手順、手段の明確化と、推進する役割

 分担の想定(=あるべき姿の概略デザイン)。実際の運用は活動後半で作成。
 この段階では、顧客側に知見が少なく、私どもからの活動企画として提案するこ

 とが一般的です
 (実は、これが最大の問題と認識しています。本来は、この活動企画立案そのも

  のを共同でおこなうことが実現性を高めるポイントです (^0_0^)ナルホド)

 

・運用に至るまでの課題抽出
 現状調査による予実績管理の実態見える化(=現状調査と分析)

 

・行動計画作成
 あるべき姿と実態をもとに課題別に担当と期限、目標到達度を設定

 

・推進の支援ツール具体化
 あるべき姿と実態を比較し、予実績管理推進のため必要な課題と後段の支援ツー

 ル抽出。活動開始後、支援ツール作成の進捗にしたがって、行動計画のスケ
 ジュールも再設定しながら進めます。ここで支援ツールと呼ぶ内容は、次のとお

 りです
 ex.管理会計導入による変動損益計算書、採算分析資料の作成、管理・統制指標の

   設定など

 

・支援ツールが徐々に完成
 たとえば、月次で顧客別・品目別・損益計算書作成、同データに基づく顧客別・

 品目別・採算感度分析作成などあります

 

・支援ツールの日常業務への運用試行
 たとえば、つぎのとおりです。月次で実際のデータに基づき顧客別・品目別・採

 算感度分析の作成と提供。同資料に基づく差異分析実施。差異要因解析と対策立
 案・目標設定、実践へと運用の試行に移行

 

・運用案の作成と運用
 支援ツールごとの運用試行を、必要なら修正のうえ前段でめどを付けます。つぎ

 に、事業全体としての予実績管理運用のための各部門の役割再設定と推進方法を
 立案します。この段階では、今までやっていなかった業務が出てくることが多い

 ため、新たな業務機能や権限が必要になることが多々でてきます。とくに重要な
 のは、全体最適の判断基準整備と統制権限の明確化です

 

 ここを不明なままに進めると、後々、収益から見た全体最適推進に支障が出か
 ねません。予実績管理に問題ある企業で不足しているのは、支援ツールより全体

 最適の判断基準不明、特定の管理者任せ、統制権限が機能していないことです。
 したがって、運用案では支援ツールの解釈を特定管理者の判断に任せるのではな

 く、誰でもできるしくみ化することが重要になります (^∧^)

 

・運用開始
 部分的には試行を重ねていますので、情報システム整備にともない資料作成も適

 宜提供可能となり、本格運用の段階到達です。予実績管理推進の目的は、経営管
 理に有効な原価・採算情報を適宜提供することにあります。結果として、収益能

 力向上に寄与します (=^^=)

 

*用語「変動損益計算書」
 変動損益計算書(変動PL、Profit and Loss Statement )とは、売上または製造

 数量に比例する変動費と、以外の固定費に区分して事業損益を算出するための計
 算書を指しています

 

*用語「採算分析」
 固定費の回収実態を知ることです

 

*用語「採算感度分析」
 採算分析と利益感度分析を一緒におこなう分析方法であり、採算検討のシミュレ

 ーションに活用できます。採算感度分析の目的は、目標に対する実態、採算性の
 把握、営業利益算出の変数の変化が固定費回収と営業利益増減に与える影響度を

 知ることです

 

*用語「管理指標」
 管理指標とは、対象業務・作業全体の運用が適切かどうか判断する物差しあるい

 は業務効率の測定基準を指しています。または、部門あるいは部門内の運用が適
 切かどうか判断する物差しのことです。言い換えると、部門運用効率の測定基準

 になります。この点において、売上高経常利益率など経営効率を見るための経営
 指標、また全社最適を実現する視点からの統制指標とは異なります

 

*用語「統制指標」
 部門最適ではなく全体最適実現のため、業際間の課題について権限を持って管理

 する優位性判断の物差しのことです。業務連鎖の評価指標とも呼びます。統制指
 標の目的は、全社収益最大化の方向に統制することです

 

*用語「統制」
 権限を持って管理すること

 

ここで紹介した予実績管理推進の概略進めかたは、原則的なものです。現実には、
上述した「支援ツールの日常業務への運用試行」段階までのお手伝いが大半を占め

ます。理由はいろいろですが、多くは経営トップの折伏(しゃくぶく)がされてい
ないためです

 

 

◆弱み克服が困難な背景

 

私どもから見ると、支援ツールだけ整備しても運用方法まで踏み込んだ使い方をし
くみとして構築しない限り、本来の効果を期待できないと考えています。結局、有

能な個人の管理能力に頼ることになり、しくみの定着は困難となりかねません
 (>.<)

 

多くの経営層には、長年の経験もあり、それなりに企業成長に貢献してきた自負が
見られます。不足しているのは、予実績管理の運用方法ではなく、適宜必要とされ

る原価や採算情報にすぎないとの受け取りかたが大半です。当面必要としている部
分が満足されれば、事足りるはずだというのが本音と感じられます。これはこれで、

支援ツールの使い方には違いありませんが… (^0^;)

 

いずれにしろ、組織で仕事をするためのしくみは欠かせないと考えます。とくに、
全体最適の判断基準は、事業、企業グループ全体にとって収益改善されるかどうか

が重要です

 

企業の弱み克服の取り組み例として、予実績管理推進強化の概略手順を採りあげま
した。途中の運用案の作成と運用でも触れているとおり、従来の視点から予実績管

理の改善に取り組もうとすることが大半です。しかし、これでは根本的な解決にな
ることはありません。繰り返しになりますが、全体最適の判断基準不明、特定の管

理者任せ、統制権限が機能していない実態に変わりはないからです。経営トップに、
根本的な改革の青写真が不可欠なことを痛感します。これが、弱み克服を困難とし

ている根本的な背景です (>_<)

 

さて、今回の主題である強みの引き出しかたに話題を変えましょう

 

 

◆強み抽出の手がかり

 

強みを生かすといっても、企業の強みが何なのか認識されていないことが多く見ら
れます。たとえば、御社の強みは何ですか、とお尋ねしたとします。これまでお手

伝いしてきた企業では、ほとんど即答されたことがありません。また、当初強みと
考えていたことが、その後の議論で変わることが大半です

 

強みの抽出には、通常かなりの討議と時間が掛かります。そこで、強みを抽出する
さいの手がかりを提案させていただこうと考えたわけです。その手がかりとも言え

る、マーケット収益モデルを紹介します (^0^)

 

 

◆マーケット収益モデル

 

製品は、マーケット収益(=売上)を得るための一手段です。いくら製品そのもの
が優れていても、ほかの要件が顧客要求と合わない場合は販売が伸びません。この

ときの顧客要求仕様が、マーケット収益モデルと呼ぶものです。その構成は、最終
需要家としての顧客から見た製品、販売チャネル、価格、供給量保証、機能保証を

指しています

 

ここでいう製品は、モノあるいはサービスのことです。供給量保証とは、顧客の必
要な量を適宜供給することを指しています。安定した量の供給保証がなければ、顧客

の事業にも貢献できません。機能保証とは、製品の価値を分からせるためのおこな
いを指しています。いくら高機能な製品でも、顧客が使い方を分からなければ、製

品から得られる効用と満足は得られないからです

 

製品によって変わりますが、カタログ、取扱説明書、購入前後の対応、クレーム対
応、品質保証、技術サービス、納入条件対応があります。これらの構成内容を、次

に階層的に表わしました。本来は、ツリー状に図解しています。対象製品により、
構成内容は変化するのが普通です。自らの製品に合わせて、構成を変えて見ていた

だきたいと思います (=^^=)

 

 ◇マーケット収益モデルの階層構造

 

 ・製品…モノあるいはサービス、品質、機能(顧客に与える効用と満足)
 ・販売チャネル…代理店経由販売、直販等

 ・価格
 ・供給量保証…大量発注等への対応度

 ・機能保証
   カタログ

   取扱説明書
   購入前後の対応

   クレーム対応
   品質保証

   技術サービス
   納入条件対応 ex.リードタイム、時間指定

 

 

◆強み抽出への活用

 

事業の強みとは何かを考えるとき、マーケット収益モデルをチェックリスト的に使
うことをお薦めします。たとえば、次のとおりです

 

・製品の品質は、競合品に比べ優れているか。優れているとすれば、具体的に
 どんな点か

・製品の機能は、競合品に比べ優れているか。優れているとすれば、それは何か
・販売チャネルは、競合先に比べ有利になっているか。有利だとすれば、具体的

 な項目は何か
・製品価格は、競合製品に比べ高いのか、安いのか。高いとすれば、その理由は

 何か。安い場合は、なぜそうなっているのか
・顧客の望む量を満足に供給できる体制があるか

・機能保証として、製品の持つ機能、品質を顧客が十分に活用できるための措置
 が、それぞれの項目について十分対策が講じられているか

 

 

◆活用の留意事項

 

最初から、チェックリスト的に当てはめて発想することも有効です。ただ、実際の
活用方法は、チェックリストに頼らずに最初強みと思われる項目を抽出することを

お薦めします。ある程度、強みの項目が抽出できた段階で、マーケット収益モデル
のどの項目に該当するのか区分することです。この区分をするさいに留意事項があ

ります。決して無理に、当てはめないことです。マーケット収益モデルの項目に当
てはまらないと感じるときは、項目を追加します

 

モデルの項目、追加項目すべてに区分し終わった段階で、各項目に該当する数を集
計します。ここからが本番です。結果を見て、なぜそうなっているのか説明できる

ように文章化します。頭の柔らかさが要求される場面です。この過程で、強みが分
かってきます。一度、グループで実践してみることをお薦めします (^∧^)

 

この方法は、KJ法の基本的な進めかたにしたがっています。小生は、20代の頃にKJ
法の訓練を受けていますので、今もこの方法を使っていますが、別の方法でも一向

に問題ありません。要は、混とんの状態からでてきた何かを、豊かな発想で結びつ
けることにより、ロマンあふれるストーリを組み立てることです

 

 

◆強みの事例

 

売れるしくみを対象に、強みの事例を簡単に紹介します。事例は文章化しています
が、実際に強みとしてまとめるさいは、箇条書きのほうが便利です

 

☆標準化ビジネス

 

N社は建築材料メーカーです。業界において建築基準法の規格を満たし、高強度・建
築総コストを低減できる建築材料仕様の認可をいち早く取得しました。設計・ゼネ

コンの指示も得て、事実上の業界標準を長年にわたって保持、高収益体質を維持し
ています。マーケットシェアは、首位独走の安定値としての40%です

 

他社が同仕様の建築材料を供給できるようになった頃、次の転換期がやって来ます。
N社の狙いは、もう一段階上の高規格品の認可取得です。事業方針の柱は、業界標準

獲得と安定的なマーケットシェアの確保にあります。そのため、技術開発の方向性
と体制づくりは欠かせません。また、業界に特有な慣行を受け入れ、新規格提案と

認可に関わる各種窓口との関係維持は日常業務に組み込んで重視しています

 

☆業務の問題解決提案力

 

1990年代後半におけるデル社を採りあげます。デル社は1984年設立。1990年代後半
には、業界平均の3倍に当たる成長率を続け、2001年、世界トップシェアを獲得しま

した。PCにおける従来の「メーカーが製造し、顧客が製品を選択する」から、顧客
が製品仕様を決め、メーカーが製造し、中間流通を廃して直接顧客に届けるBTO/ダ

イレクトモデルを取り入れています

 

強みは、顧客業務における問題解決支援のPC製品提案の企画力、自らの経営資源を
最小化する業務委託活用のビジネスモデル立案とその運用力といえます。自社で保

有するのは、顧客業務の問題解決策を提案する部門、製品設計部門、受発注・調達
部門、PCの組立工場です

 

独自技術の開発をせず、インテル、マイクロソフトなどが開発した技術をいち早く
採用し、顧客が求める製品設計と提案をおこないます。サプライヤーと物流業者へ

は、発注量保証なしの調達・業務委託であり、自らのリスクを最小化しています

 

受注は、顧客ごとのWebサイト、通常のWebサイト、電話、FAXの活用です。受注から
納品まで3〜6日、在庫の最小化を実現しています。納品は、FEDEXの貨物追跡システ

ムの活用により、顧客への安心感提供と中間流通コストの負担回避を実現しました

 

☆製品主導型

 

自動車が典型例です。最適設計された部品を、微妙に相互調整しないとトータルシ
ステムとしての機能が自動車では発揮されません。このような製品を擦り合わせ型

と呼んでいます。自動車以外の代表的な製品では、複写機などの事務機器、分析機
器、半導体製造装置などの精密機械が該当します

 

*擦り合わせは、東京大学大学院 経済研究科 藤本隆宏 教授が提唱するビジネス
 アーキテクチュアに関する概念。インテグラル型とも言います

 

このような最終製品では、設計をおこなうメーカーの意向が強く反映されます。い
わゆる、完成品メーカーに従属する下請け部品メーカー群が形成されるわけです。

通常のケースによると、収益力は製品主導型の完成品メーカーが圧倒的に強くなり
ます。逆に言うなら、最終製品を造るメーカーの収益力を高めるには、製品主導型

になることが必要だということです

 

☆部品主導型

 

パソコンにおけるインテルのMPU(中央演算装置)が代表例です。パソコンは、擦り
合わせ型から組み合わせ型(モジュラー型)にシフトしました。現在のパソコンは、

部品同士の接続規格にしたがって組み合わせると製品化できる組み合わせ型の典型
です。組み合わせ型製品は、エレクトロニクス製品(半導体、コンピュータ、液晶

テレビ)に多く見られます

 

インテルは、世界PCの約80%、サーバーの約90%にチップを供給。2010年1〜3月期
の営業利益率は、過去最高の売上高102億ドル、史上最高の粗利益率65%を計上し、

営業利益率は23.5%でした。直近では、7月20日発表の2011年第2四半期(4〜6月)
の決算です。これによると、売上高が131億ドル、5四半期連続、過去最高を更新、

全事業部で売上高が対前年同期比2桁増を記録とあります

 

パソコンでは、最大手ヒューレット・パッカード(HP)、2位の台湾エイサー、3位
デルと続きます。2010年度の営業利益率では、HP 9.1%、デル 4.1%です。デルに

かつての勢いは感じられません。正確な数値を把握していませんが、エイサーの営
業利益率は、2010年で約3%のようです

 

パソコンに関わる企業で高収益率を保っているのは、このほかにアップルがありま
す。2010年度の営業利益率は29.9%です。その意味では、アップルを無視してパソ

コンを語ることはできないのかもしれません。ただ、アップルの場合は、iPadや
iPhoneで伸びているようなので、ここでは対象としません。また、これらの製品は、

いずれも完全な製品主導型のパターンに入ります (^0_0^)ナルホド

 

世界シェアなどからみると、パソコンではインテルが圧倒的です。パソコンの部品
を造るメーカーがパソコンの世代交代も促しています。部品を造って高収益を維持

するビジネスモデルの典型です

 

☆素材主導型

 

機能性化学品の分野があります。詳しいデータが手元にありませんので、詳細申し
上げられませんが強みの一つです。半導体材料、液晶ディスプレイ材料など電子材

料を供給し、製品の拡販とともに機能性化学品の売上も伸びていきます。製品の品
質維持のため、使わざるを得なくなる材料であればなおさらです

 

良く似た事情にあるのが、中国が輸出規制を強化しているレアメタルが該当するで
しょう。いずれにしても、主導権を握る強みを持つことが収益力強化のポイントで

す (^-^)

 

◆強みへの活用と対策

 

収益改善計画の立案には、正しい強みの理解が不可欠です。現在の環境が、次の事
項に該当するのであれば、いかにそこから脱皮すべきか事業の方向性を含めて考え

るべきでしょう

 

・基幹部品に従属する完成品メーカー
・完成品メーカーに従属する下請け部品メーカー

 

幸いにして、これらの項目ではなく前段の強みの事例に該当するのであれば、さら
に強化策を計画すべきです  (^^)♂♂

編集後記

今日9月24日(土)、朝の気温は16℃、湿度68%でした。肌掛けで寝るのは、もう限
界かもしれません。つい先日、五所川原の兄と電話で話していましたら、ストーブ

を入れないと寒くていられないとのことです。とくに、北の方は足早に冬に向かっ
ている気がします (>_<)

 

それにしても、青空がきれいになりました。やはり秋です。秋といえば、食欲、ス
ポーツなど、暑い夏から解放された感があります。それでも、まだ日中は暑い日が

あるでしょう。クールビズも今月一杯が多いと思います。ただ、日中でも25℃位の
日がありますので、上着を持参するようにしました。電車や喫茶店などでは寒くて

いられないこともあるからです。とにかく、風邪など引くことなく健康に気を付け
るようにしています (^0^)

 

7月下旬から歯医者に通っています。随分長くなっていますが、先日の9月22日で7回
目です。左下の奥歯にかぶせたところが炎症を起こして、固いものを噛めないよう

になってしまったのです。よく覚えていませんが、多分30年も前に治療したものと
思います。結局、かぶせものを取り、中に薬を詰め込む治療を続けている最中です。

先日22日に、ようやく新しいかぶせものの型をを取りました。次回の治療で、かぶ
せてくれるようです。ただ、治療自体はまだしばらく掛かると宣言されています。

ちなみに、入れ歯はまだ一本もありません (^−^)

 

 今回頁数は次のとおりです
  468行/校了時点の合計÷53行/頁≒8.8頁

 

最後までお読みいただきありがとうございます m(_ _)m
それでは、次回またお会いしましょう (^.^/)))~~~bye!!