収益改善に役立つ統制指標の切り口

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 収益改善に役立つ統制指標の切り口 【現役 経営コンサルタントの裏情報!】
 発行 2010/05/31 No.60

 

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【目次】

1.SCMの収益構造

まえがき

こんにちは 前田です!

 

 

◆5月31日の日の出 4時27分  (^^)♂♂

 

日の出が早くなりましたね (^−^)
起きたとき朝明るいと、気分爽快になるので不思議です。朝刊の日の出時刻を見る

のは日課となっています。今日5月29日、東京の日の出は4時28分。1カ月前の4月29
日は4時52分でした。毎日、朝早くなるのが楽しみです。二十四節気の一つ、今年の

夏至は6月21日で、日の出は4時25分、日没が18時59分となっています

 

昼の時間が長い夏至ですが、もっとも早い日の出は6月9日〜18日の4時24分です。朝
が早まる期待感を味わえるのも、あとわずかとなってきました。昨2009年、関東の

梅雨入りは6月10日でしたから、蒸し暑さも迫ってきています。やはり、クールビズ
は歓迎すべき行事です。できれば、行事に終わらせず続けて欲しいと心から思って

います (∩_∩)

 

ちなみに、本メルマガ配送日の5月31日の日の出は4時27分、日没が18時50分です
 (=^^=)

 

 

◆ドラッカーの女子マネに感動 (=^^=)

 

先日、甲府出張の特急列車待ちの時間に、立川駅構内の書店に立ち寄りました。50
万部を越すベストセラー、岩崎夏海著「もし高校野球の女子マネージャーがドラッ

カーの『マネジメント』を読んだら」ダイヤモンド社発行、を購入。思わず涙して
いる自分に気がつき、人に見られないように外を時々見ていました。272頁あります

が、甲府到着まで約半分読み、帰りに読み終えました。久しぶりに感動を覚えた内
容です

 

内容そのものは、ドラッカーの経営哲学を女子マネが野球部に適用した小説風読み
物になっています。事業の定義は、野球部にも通じることだったと気付かされまし

た。普通の経営学の本より、ポイントも押さえた役に立つ内容ではないかと思いま
す。中身の濃さ加減は別にして、それなりに勉強になりました (=^^=)

 

 

◆デゴイチ(D51)に遭遇

 

帰りの甲府駅でデゴイチで親しまれる蒸気機関車D51に遭遇しました。JR甲府
−小淵沢駅間を、45年ぶりに走るイベント列車「SLやまなし」の試運転のようで

す。今日5月29日から6月6日までの土日に運行することは、後で知りました。そのと
きの写真をメルマガWebサイトに掲載します \(◎o◎)/!

 

D51 甲府駅 2010.05.25

           D51 甲府駅 2010.05.25

 

1.SCMの収益構造

本メルマガは、経営における収益改善への貢献をもともと狙いとしています。貢献
するための切り口や考えかた、必要となる管理技術について、これまでも紹介して

きました (^-^)

 

なかでも、SCMの収益構造をどのように捉えるべきかの内容紹介に、多くの頁を割いてきました。ここでいうSCMの収益構造とは、事業収益獲得のマーケットに対する企業実態を指しています

 

まず、SCMに対する私どもの評価基準を紹介しましょう (=^^=)

 

 

◆SCMの評価基準

 

・速度、Speed
 スピードを早めることは、リードタイム短縮イコール販売機会を増やすことにつ

 ながり、資金回転率の向上にもなります

 

・利益、Sales profit
 売上から得られる営業利益は、マーケットからのコスト回収期間を短縮すること

 であり、企業として拡大再生産する源です

 

・供給標準、Supply standard
 製品供給というビジネスのため、最低限必要となる基準を指しています。最小受

 注単位、納品リードタイム、入数、取引口座の開設、決済方法などです

 

・マネジメント、System control
 縦と横のマネジメントサイクルを回すこと(=管理)が相当します

 

*用語「縦のマネジメントサイクル」
 経営戦略やトップ指示事項の検証と軌道修正のツールとしても有用であり、経営

 層と実務層がPDCAを回す管理の実践を指しています

 

*用語「横のマネジメントサイクル」
 部門間にある業際間課題の処理が順調なのか検証するツールとしても有用であ

 り、複数部門にまたがる課題にPDCAを回す管理の実践です

 

*用語「PDCA」
 よく使われる言葉ですが、使い方確認の意味で説明を加えました。マネジメント

 サイクルとは、PDCAを回す「管理する」と同じ意味で使っています。それぞ
 れの内容は次のとおりです

 

 P(Plan) :計画、あるいは対策立案と目標設定
 D(Do)  :実践

 C(Check):予実績評価
 A(Act) :差異要因解析

 

 

全体最適の視点から見る限り、企業には収益改善の余地が多く残されていると、私
どもは基本的に考えています。しかし、言葉だけではなかなか納得していただけま

せん。従来の考えかたや制度が阻害要因となっているからです。また、現状に至っ
た企業の歴史や背景も一様ではありません

 

つまり、SCMの評価基準を言ってみたところで、企業の具体的な課題についての
損失がはっきりしない限り、SCMへの必要性は感じられないわけです。あるべき

姿に向かって活用しようというより、悪いところを直そうと考える経営者が圧倒的
に多いことからして当然かも知れません。そこで、SCMの要件の一つ、収益構造

を考えるきっかけを提示することも必要です

 

 

◆装置型A社

 

企業会計を財務会計主体でおこなう装置型メーカーがあります。この企業を仮に装
置型A社としましょう。特定品種の売上数量増による売上・製造原価低減を見込ん

だマーケットシェア拡大を狙い、販売価格を下げ、更なる利益拡大を計画すること
が可能でしょうか (?_?)

 

少なくとも、定量的にこれらを算出して意志決定することはできません。装置型A
社においては、量産効果の算出と見える化、シェアを取りに行ける営業見積基準へ

の改定、これを推進する営業の業績評価基準の改定が必須です。言葉を代えて言う
なら、営業から生産に至るライン部門全体を含む、全体最適の方向に統制する機能

の強化が欠かせません

 

もう一つ例を挙げます

 

 

◆アルミ箔B社

 

大手鉄鋼メーカーの一事業部門が基礎技術を生かし、消費者向けアルミ箔の生産に
乗り出しました。しかし、まもなく債務超過におちいり、経営再建に外部の力を借

りることになったのです。素材としての鉄やアルミのマーケティングと、船や超大
型輸送機関による素材の物流では、呼び方が同じでも、中身の技術は別物と理解さ

れていませんでした。のちに、本体から完全に会社を切り離し再建されましたが、
ビジネスモデルの違いは「本流」のかたには、もともと理解しがたい領域だったよ

うな気がします。この企業をアルミ箔B社としましょう

 

アルミ箔にも種類があります。それぞれの用途別・製品群別の安定供給への対応度
が不足していたのは明らかでした。対応度には、QCDSの要件が必須です。内容

は、品質(Quality)、価格(Cost)、納期や入手性(Delivery)、対応やサポート
(Service)の水準を明確にすることが欠かせません。私どもの担当領域は販売の一部

と物流でしたが、顧客訪問によるニーズ把握と、コストを上げずに競合他社にまさ
る対応度向上を図ることに重点がありました。再建に一定程度貢献できたものと思

います

 

この例は、赤字におちいってからの依頼です。もう少し早く依頼を受けていれば、
それなりに貢献できたのではないかと考えます。一旦、赤字になると荒療治中心に

なることも多く、逆に企業のいろいろな部分にしこりを残すことが多いものです。
ここだけではないのですが、外部の声にもう少し耳を傾けることができないもので

しょうか (^∧^)

 

その意味では、経営に必要な管理技術やコンサルティングテーマにも流行がありま
す。メディアへの登場が関心を集める有効な手段には違いありませんが、本当の意

味で企業が必要とする課題には普遍性があるようです。人、組織、収益、経営管理
など挙げられるでしょう。ちなみに、SCMの場合は部門と部門にまたがる業際間

にもっとも焦点を当てています。その意味で、従来にない視点からの経営効率を狙
う管理手法と言えます

 

順序が逆になったような気がしますが、私どもの定義するSCMとは次のとおりで

 

 

◆SCMの定義

 

サプライチェーンを構成する販売・生産・調達・物流に至る各業務の連鎖が、もっとも
効率よく運用され、収益能力最大となるしくみをいう

 

SC(サプライチェーン)をM(マネジメント)することがSCMです。つまり、
SCMとは統制機能を指し、実需をベースとした業務連鎖で収益能力向上に寄与す

るしくみの対象となる業務、基準、ルールに対する統制事項の明確化が避けてとおれ
ません。SCM推進管理のために必要な機能は、本領域に含みます

 

*用語「サプライチェーン」
 原材料・部品生産から製品化、当該製品の消費・使用・廃棄に至る連続したモノ

 の流れとつながりを指す。たとえば、原油の採掘・生産、石油化学メーカーにお
 けるナフサの生産、樹脂の生産、部品・製品化、製品の使用・廃棄、それぞれの

 間の物流を含む一連の供給連鎖のしくみが対象です

 

 

◆SCMの収益構造とは

 

さて、SCMの収益構造とは何でしょうか。事業収益獲得のマーケットに対する企
業実態には違いないのですが、その要素を見ていくことにします。業種・企業規模

によって異なることが普通です。やや抽象的かも知れませんが、主な内容は次のと
おりです。今回は、ここまでの内容に限定して紹介します m(_ _)m

 

・事業収益獲得のマーケットに対する経営資源の枠組み
・事業収益源を定量化するしくみ

・枠組みの統制機能

 

 

◆事業収益獲得のマーケットに対する経営資源の枠組み

 

製品用途のマーケット別に得られている限界利益に、投入経営資源の消費割合が分
かるように対比することで判断可能です(ワークシートに収益源マップあり。メル

マガWebサイト、No.51「企業収益の見える化」にその一例を図解済み)

 

装置型A社では、この部分が見える化されていません。もともと、このような視点
から考える風土が欠けていると言えます。問題は深刻です

 

アルミ箔B社では、SCM以前の問題があります。新事業運営に必要な、ビジネス
モデルの基本要素である収益構造(物流、マーケット開発と販売)の基礎体力作り

に誤解がありました。この点で、経営陣の青写真作りが甘かったと言わざるを得ま
せん。私どもの用語で言うなら、フィールドの課題(部門長の権限でおこなうべき

課題)に対する方針が、従来事業の延長で考えられた結果ということです。意外に
多く見られます (>_<)

 

 

◆事業収益源を定量化するしくみ

 

それぞれの経営資源の活用度合いをコストで把握できるしくみを指しています
(たとえば、管理会計、直接原価計算、採算分析、量産効果、営業見積基準等)

 

装置型A社では、事業収益源を定量化するしくみが整っていません。基礎体力作り
から始めざるを得ないことを示しています。前の行の括弧内すべてと、事業計画の

作り方も絡んでくることは明白です

 

アルミ箔B社も、装置型メーカーの代表格なことから、収益源を定量化するしくみ
は持っていませんが、稼働率で代替えできるだけのノウハウは持ち合わせていまし

た。幸いに、販売量増が微増ながら続いていたため、当面、緊急的に必要になるこ
とはありません。将来、整備せざるを得ない時期が到来する可能性はあります

 

 

◆枠組みの統制機能

 

個別部門の最適ではなく、全体最適の立場から権限を持って管理する機能が不可欠
です(手段には、管理指標、統制指標、SCMセンター等による統制があります)

 

装置型A社では、もともとこのような機能を持っていません。企業規模がこれ以上
大きくなったり、経営全般を知る経営陣の世代交代があれば、統制機能の強化が必

要になるでしょう

 

アルミ箔B社では、売上高が右肩上がりから安定成長に移る段階で統制機能のしく
み強化が必要になると推定します

 

説明の都合上、次回以降予定しているSCMの推進機能も部分的に含んで説明して
います m(_ _)m

編集後記

◆Spam Mail Killerに感謝

 

今年3月まで、スパムメール(迷惑メール)に悩まされていたのが夢のようです。
というのは、3月13日にフリーソフトのスパムメールキラー(Spam Mail Killer

Version 2.30)を導入したからです。条件設定に手間取り、使えるようになるまで
1カ月弱を要しましたが、現在のところスパムメールが受信されなくなり、何か寂し

い気もしています (苦笑)

 

それまでは、1日数十件舞い込んでいました。スパムメールを自動的に分類してくれ
るソフト、クイックPOPファイルを今も併用して使っています。あくまでも、こ

のソフトはメールソフト受信後に分類するだけです。迷惑メールフォルダへの移動
はメールソフトの機能を使い、分類後の迷惑メールを確認後、手動で都度削除して

いました。本ソフトの分類機能は学習能力が高く、導入後受信した1万5千件のメー
ルに対し、現時点で98.81%の確率で迷惑と区分しています。それなりに対策は講じ

ていたつもりでした (^−^)

 

ところが、スパムメールキラーは、メールチェック時に削除条件に該当したメール
をサーバー上から自動削除してくれます。何と、メールソフト着信前の削除です。

ストレスが大幅に減りました \(◎o◎)/!

 

小生の条件設定ミスのため、必要メールまで削除してしまい、関係者のかたにはご迷惑お掛けしたことをお詫び申し上げます m(_ _)m

 

 

◆いずれ使用方法をご紹介予定

 

本ソフトの導入後、短期間に使えるようになっていただくため、今回紹介するつも
りでしたが、いずれ使い方も含め詳細をお知らせするつもりです (=^^=)

 

最後までお読みいただきありがとうございます m(_ _)m

 

それでは、次回またお会いしましょう (^.^/)))~~~bye!!